真北。
富津での現地調査の帰りに君津へ。
先日お問い合わせ頂いたクライアント様の建築候補地の確認に行きました。
候補地ですので測量機器での調査ではなく、候補地として成り得るかという確認でしょうか。
こういった場合、僕らなりの所感を報告させて頂いています。
敷地を眺め、しばらくの間しゃがみ込み何やら考え込むサイトー氏。
こういった時は話かけません。
返事かえってきませんので、はい。
ぼくらのように住宅設計にバッシブデザインを採り入れようとすると、見た目のデザインや間取りが敷地条件により大きく変わります。
特に方位は重要です。
敷地は南道路でも北道路でも良いのですが、“建物が”南向きで計画できるのか、南東や東南向きに計画するのかの違いで窓の東西南北の開口率や、軒や庇の大きさ・長さを変えながら検討するからです。
と、いうわけで方位の話を。
不動産業者さんから提供される「測量図(平成18年作製以前のもの)」や「公図」と呼ばれる土地の資料に出ている、
↑といった方位マークは「磁北」、いわゆる方位磁針のN極が指す方向です。
建築では日影などを検討しますので「真北」が基準となります。
そう、「北」と一言でいっても「磁北」と「真北」があります。
またこういった資料も、新しいものは「座標北」となります。
なぜかは、・・・ここでは割愛させて頂きます。
上の図にある「偏角」は地域により違い、日本でも 2~9°の幅があります。
ちなみの僕らの住む地域では 6°50′から 7°です。
土地購入の際には、当然方位を気にされる方や購入の判断材料とする方が多いのですが、この6~7°の差を気にされる方はほとんどいらっしゃいません。
実際の購入過程でその違いを知る機会がない事も原因だと思いますが。
不動産業者さんに 「南はあっちですよ~。」なんて言われたらどちらの事をいっているのか確認してくださいね。
僕らのように、建築計画で陽光のチカラを最大限利用しようなどと考える場合、プランニング上結構大きい差となります。
ちなみに、今回の土地を緯度経度などから詳細に偏角計算すると、6°52′の西編となります。