現地調査。
春です。
わが事務所の裏山もすっかり春の様相を呈してきました。
これから本格的に暖かくなると、この裏山からトカゲだのクモだのと沢山の虫たちがこちらに押し寄せてくるのが困ります。
うぐいすも来るんで癒されるんですけどね・・・。
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この日は富津方面へ現地調査へ。
リフォーム及び修繕依頼を受けていたのですが、ここのところバタバタしており、お待たせしてしまいすみませんでした。
というより門戸が重すぎてもはや武家屋敷門の風情です。
伝統的な様式の造りであるが故に手入れも必要です。
開閉の動作に問題がある為、玄関戸、・雨戸・ガラス戸の修繕が必要です。
断熱の施工はされていない様で、クライアント様曰く 『寒い。』
・・・でしょうね。
この手の建築に「薄着でいられるほど部屋を暖める」という西洋文化の考えはないですから。
むしろ南側開口部付近の耐力壁の不足が懸念されますのでそちらの対策が優先です。
でも、こういった旧来の日本家屋には、いずれも現代建築にも活かせるパッシブデザインが随所に施されています。
家の造りとして冬の日差しの取り込みや、夏の湿気・熱気の排出がスムーズに為されるようになっているのです。
高断熱住宅の設計・施工を得意としているからこそ感じるのですが、昨今の断熱性能の数値が良い住宅の中には 『日差し』 を対策する間取りや造形を無視した上で断熱材を厚くし、窓ガラスの性能を上げ、高性能な機械設備や電気製品に頼るような建物が多いのも事実。
機械的な設備だけで室内温度をコントロールしようとすることに違和感を覚えます。
それでは快適な家にはならないので。
性能数値=体感 ではないんです。
加えてこういった日本家屋は庭と建築の繋がりも見事でとても感動します。
高気密高断熱だけに頼った設計では、四季の移ろいから生活がますます離れてしまいます。
ぼくらコージーデザインは、夏冬は「現代建築技術」と日本古来の技術「パッシブデザイン」で快適にしますが、中間期の春秋は気持ちの良い外界の季節を取り入れることを建築計画でご提案しています。
例えば窓を開放し積極的に外へ出たくなるようなウッドデッキであったり、窓からの視線の先に紅葉や季節の花を咲かせる庭木を植えることなどです。
ともあれ、今回は現屋敷の佇まいを壊さないように修繕計画を建てる事となりました。