20℃ちょうどいい。
最近、春の陽気が続きましたが、昨日は一転、雪となりましたね。
雪といえば、ぼくらの冬の間のオープンハウス開催日は雪やみぞれといったお天気の日がなぜか多い。
先月のオープンの時もそうでした。
てな事で、その時の状況を。
↑ 北側の洗面脱衣室は約18℃。午前中は晴れてきて外気温度4.5℃。雪の残る日陰はゲキ寒でした。(10:00現在)
↑ 引きの写真で見えづらいのですが、温度計の上段が床下温度(17.0℃)、下段が床付近温度(19.7℃)。
(13:00現在)
場所は奥様方のお城、キッチンです(対面キッチン)。
注目して頂きたいのは床下温度。普通の建物では床下が外気温度に近いので足元からの冷え込みの原因になります。
ですが、地熱を利用した住宅は床下温度が17℃ありますので、暖房機などで暖められた室温が床から奪われ、足元から冷やされるということがないのです。
床で断熱している建物は、この床から奪われる熱が足元の冷えや、暖房してもお部屋の天井付近ばかりが暖まるといった室内温度差を生じる原因の一つなのです。
そしてこの暖かい床下温度と太陽の日射により、お昼すぎには足元付近で20℃程度まで暖まります。
つまり、温度ムラができないということです。
しかも測定場所は冷え込む言われる対面キッチンです。
そして無垢の床の表面温度も20℃近くになっています。
日の入るリビングは 「床暖房が入っているんですか?」 と何人かの来場者に聞かれた程です。
冷え性の方、厚いキッチンマットとモコモコスリッパや暖かくつ下はいりません。
温度ムラもなく天井付近まで20℃。
これが、寒くない建物の条件です。
20℃は寒く感じると思う方、実際に体感して頂くとよーくわかって頂けるハズです。
話はそれますが、実は最近多く採用されている、ベタ基礎工法が今時の家を寒くする原因の一つとなっています。
冬期、ベタ基礎(床下がコンクリート)+【床断熱】の方が、布基礎(床下が土)+【床断熱】よりも床下温度が低いというデータがあります。
仮に、壁の断熱がしっかり施工できていたとしても、一般的な床の断熱方法である床断熱である場合、快適性には限界があります。
それは冷たい外気にたっぷりと冷やされたコンクリートが冷輻射となって床から熱を奪うからです。
しかし、この住まいは「すっぽりと基礎を外側から外断熱」していますので、まったく逆の発想となります。
いわゆる【基礎断熱】なのですが、その中でも【基礎外断熱】と呼ばれている基礎工法です。
床下のコンクリートが生活排熱や暖房の蓄熱体となっているのです。
壁の断熱を頑張っていくら分厚くしても、窓サッシを高断熱化をしても、熱損失係数などの計算上の性能数値が上がるだけでは、体感できる快適性は期待したほど向上しません。
せいぜい、暖房がよく効いて省エネですねー。でも床暖房ほしいなー。といったところです。
大切なのは床下と小屋裏の温熱対策です。
基礎をしっかりと外断熱することで床下のベタ基礎コンクリートが、たっぷりと地中熱を利用しながら床下暖房の熱を蓄熱して、ゆるやかに室温を一定に保とうとしてくれるのです。
深夜電力を利用した蓄熱式暖房機などの場合、熱容量が少なく、多くの熱量を短時間で放熱しきってしまうので前日の夜間に蓄熱しても、次の日の夜まで暖かさが持続しない場合もあります。
一方、基礎コンクリートを熱的に屋内に取り込んだ住まいは比較的低温で膨大な熱容量の床下温度に支えられていますので、日が沈み、外気温度が急激に下がっても温熱環境の変動はごく僅か。
夏の猛暑も含め、外気の温度変化に左右されにくい住まいなのです。
マニアックな話はこのくらいで。