デザイン耐久力
お寒ゥございます。
今日は一段と寒くなりましたねぇ。
こんな日の夕食は鍋でも囲んで温かくなりたいものです。
鍋でもワイン、コイデです。
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この日はK邸照明計画の照度バランスの確認とダイニングペンダントを見定める為、六本木アクシスビルにある ルイスポールセン・ショールームへ。
↑アクシス。上質なデザインの家具や雑貨などのショップが入っています。
テキスタイルからカーアクセサリーまで、デザイナー達が柔軟な発想で生み出すプロダクトデザインは見ているだけで とても楽しめると思います。
ビルメンテナンス中の為にいつもより暗いショップまわり。
でも照明見るには丁度いいか。
ルイスポールセンと言えば、光源の眩しい光、「グレア」を感じないデザインが基本哲学。
このPH50とPH5、驚く事に発表からデザインを変えずに50年以上経ちます。
基本デザインはPH5と同じですが、2008年に50周年を迎えコンテンポラリーなカラーモデルとして PH50を加えたようです。
優れた機能に裏付けられた良いデザインは、美的耐久性も高いという事でしょうか。
「自由な形ができるにしても、その形には理由がなければならない」というデザイナーのポール・ヘニングセンにより、 全く古さを感じないそのデザインは生み出されました。
僕らも、 『 意味のないディティールを造り込み、見せ物にしない 』 という考えで意匠設計しますので、こういった デザイン原則はどんなプロダクトにも通じるものがあるのだと思います。
グレアを抑え、光の反射や拡散をコントロールする、あくまで良質な光を生むための「機能的で美しいデザイン」。
実際に使用してみると手元や食卓など照らすべきものは照らし、天井を含めた周囲はシェードからの反射光で柔らかく 照らし出され、照明器具より光そのものが心地よい上質なものであることが実感できます。
僕らの住まいは壁・天井が漆喰などの塗り壁や白い紙クロス仕上げが基本なのですが、それらの素材の白さはビニールクロスの白と違い、光を柔らかい反射光として部屋を明るくしますので、空間を優しく演出するにはPHランプのように直下以外を照らす事まで考え、設計された照明がしっくりと馴染みます。
デンマーク、コペンハーゲンのあるレストランの為に1958年に製作されたモデル。
素材に銅を使い、柔らかく赤みのあるその反射光がその下で食事をする人の肌を、より艶やかに 美しく演出するそうです。
恐ろしい・・・。そのレストラン、女性客増えたんじゃなかろうか。
でも照明1台で 車買えそうな価格ですが。
機能と合理性から生まれたデザインは美しいと思います。
厳しい日本の四季に適応してきた日本の伝統的な民家の佇まいが美しいのはその為だと思います。
デザインの耐久力とでも言うのでしょうか。
僕らも、機能的で必然性のある美しいデザインを心掛け、ちょっと大袈裟ですが50年経っても長く愛されるような建築デザインを目指したいと思います。
帰りに外苑東通りからみた東京タワー。
↑震災で先端が曲った後、修復されたはずですがまだ曲っている気が・・・。
そう言えば、東京タワーも1958年に完成し、ポールセンのPH5と同じく2008年で50周年を迎えております。
偶然ですね~。
スカイツリーも良いのですが、東京タワーの伸びやかな造形は現在でも美しいと思います。
ハイ。