やっと涼しくなりますかね。
Y君、Mさん、ご出産おめでとうございます。
Y君は父親となり、今まで住宅設計の中にリアリティとして落とし込みにくかった『子育て』という設計エッセンスが加わることでしょう。
子育てに参加すれば嫌でもそうなります、はい。
いままで君が最も大切にしていた「カッコイイ家」にプラスして、施主様ご家族の日々の生活の場としてのすばらしい提案をする建築士として、さらに磨きをかけてください。
◆
やっと涼しくなりました。
久々に事務所のエアコンを切り、窓を開け、自然の風で仕事を。
今日は現場もS様邸の社内検査があったのですが、建物の中の湿気も少なく、恐ろしく快適でした。
今年の夏のキーワード「猛暑日」「熱中症」。
屋外だけでなく屋内で、しかも日が沈んだ夜間にも、居室で沢山の方が亡くなるという痛ましい事故がありました。
その多くが猛暑日や熱帯夜の日だそうです。
「猛暑日」➡日最高気温が35℃以上の日。
「熱帯夜」➡夜間の最低気温が25℃以上の日。
都市や住宅事情、生活スタイルも旧来とは変化してきています。
以前とは違った住環境になってきていること。
その事の理解や情報が伝わりにくい高齢者の方の割合が高かったそうです。
他人ごとではなく、全ての人に起り得ることです。
気温や湿度も重要ですが、それにより住宅(居室)でどのようなことが起きているのか。
今後の住まいには、冬場のヒートショックだけでなく、夏場の熱中症対策も重要なポイントになるのでしょうか。
「断熱性能が良いのでエアコンを使わずに過ごせる」
こういった表現は、明確な根拠や程度に基づかないものであればかえって誤解を招きます。
住宅における熱の伝わり方にしても 「伝導」「対流」「放射」があります。
その熱を実際に人体が感じる体感温度も「温度」「湿度」「輻射熱」「気流(気化熱)」があります。
温熱環境も、断熱材や建物自体の「熱容量」に大きく左右されます。
本当に快適な住まいになるかどうかは、単に『断熱方法』や、『高気密』、『Q値』 『μ値』といった事だけでは実現できないのです。
次世代省エネルギー基準で建築したはずの家が夏場、「期待外れに暑い」というのはこの為です。
“暖かくて涼しくなる”家は結露や温度ムラの問題を無視すれば、断熱レベルを上げることで比較的容易にできあがります。
ストーブや冷房が『良く効く』ことと、『快適に住める』こととは別問題だと思います。
僕らはこの千葉県で、リアルに快適で健康に過ごせることを考えた建築に取り組んでいます。
もちろん、低エネルギーで低コストで。
住宅供給者側も、建物の断熱性能だけでなく、より健康的で快適な生活の送り方をもっとしっかりと伝えるべきだと思います。